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2012年3月

2012年3月26日 (月)

卒業生に送る言葉

 時間が前後しますが、卒論集のはじめに、ゼミ生に送る言葉を書きました。毎年似たようなことを書いてはいますが、少しずつ違います。卒論作成を通して、学生たちに感じたことを書きました。

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 みなさん、ご卒業おめでとうございます。
 テーマが自由な卒論は、一見魅力的です。でも、最後の最後までとことん自分と向き合い続ける、実は厳しいものでもあります。まず、何を問いにするのかに悩まれたでしょう。いくつもある好奇心や関心のうちどれを選択していくのか、どのように絞っていくのか。そして、作成していくなかで、安易な道に流れるか、本当に問いを追求しつづけられるか、ご自身と向き合い格闘できるかの試練だったと思います。
 その中で大事なこともあります。周囲の意見やアドバイスを積極的に聞くことができるか、そして、それにしたがってさらに問いを深化させることができるかです。自分の中に閉じこもって孤独な作業をする時間と、周囲の意見を聞くこと、より多くの文献を探し、その文献の著者たちと対話していくこと。これは、とくに卒論に限らず、多くの仕事においても、ひとつのものを完成していくために必要な作業でもあります。

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最後に。
 ごく当たり前のことですが、みなさんに、ぜひ忘れないでいただきことことがあります。それは、人から助けてもらえる姿勢です。私はこれが「礼儀正しさ」であると考えています。アランによれば、礼儀正しさは、同時に、自分の人生を大事にすることにもつながるんですね。
 

私は礼儀というものをこのように考えたい。それは、情念に対する体操にほかならない。礼儀正しいとは、すべての身ぶり、すべてのことばによって、次のことを言うか、表情で示すかすることである。「いらいらするな。自分の人生のこの瞬間をだいなしにするな」と。(アラン『幸福論』1993年、263頁、集英社文庫)

 自分の情念を解きほぐす礼儀正しい振る舞いで、上機嫌であるための意志を持ち続ける、私もそうありたいなあと思っています。この卒論をご自身の出発点として、これから出会う多くの人の力を借りながら、ご自身の問いを開いていってください。

みなさんの前途が上機嫌のあたたかさに包まれますように。


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なんだかいつも当たり前のことしか書いていませんが、私もつい、忘れがちですが、そうありたいなあ、と思うことです。

写真は熊本城天守閣から見た風景です。冷たい風のなかに、ふわりの暖かな春の匂いが立ち込めていました。


2012年3月23日 (金)

卒業おめでとう!

 昨日は、ホスピ学科4期生の卒業式でした。暖かい日差しの春らしい日で、学生たちの笑顔も、晴れ着に負けないくらい輝いていました。がんばった卒論集を渡して、学位記授与を終えると、全員で記念撮影。

 80名ほどの全体写真なので、どのお顔も重ならないようにするために、撮影までカメラマンは一苦労のようでした。

 夕方からは謝恩会を開いてくれました。学科の教員たちが学生の企画に招かれて、楽しいパーティです。花束贈呈のときには、「仰げば尊し」が流れて、「えっ!」と驚きましたが、目頭が熱くなりました。

 担当したゼミ生たちも、4月からの勤務地のことを期待や不安とともに話す学生もいれば、研修で当初の契約と違って、辞めて就活をはじめたこと、内定もらっているけれども、まだ思案中とか、厳しい現状を実感しました。

 ただ、彼女たちの顔は4年の大学生活を終え、卒論を書き終え、ある達成感を経た表情に見えます。そう、あきらめない、素直でいること、自分を開いていくことで、また道は開かれると思います。

 ゼミ、楽しかったねえ!と何人かの学生が言ってくれたことで、私も2011年度を終えた気がしました。
卒業しても、ずっと応援しているので、遊びにおいでね!

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