卒論タイトル
もう2月の終わりですね。今日、ようやく2011年度の卒論集の原稿を印刷業者にお渡ししました。
ようやくです。今年も16の卒論が形になりました。あれこれ試考錯誤の連続だったと思いますが、それぞれの学生さんはよくがんばりました。卒論の添削指導をしているなかで、ようやくこの学生さんはこういう特徴があるのか、と卒業間際に垣間見ることしばしばです。題材の選び方、参考文献との格闘、文体、構成の力、取り組む姿勢など、本当に彼女たちの人柄や今後の方向性まで、なんだか想像可能なほど・・です。
私は卒論指導をしていると、自分自身も本当に勉強になります。こういう視点もあったのか、なるほどこういう面白さもある、といっしょに考えていると、自分の見方が拡大し、ワクワクします。このワクワク感が、ゼミではとっても楽しいのです。
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「ウチナーククルぬんおもてなし〜 日本最南端県のリゾート観光から学ぶ」
「DIET」
「愛される女性の秘密 〜 化粧とホスピタィティ」
「好感度を上げる 〜 必要とされる人になるための雰囲気づくり」
「美を求める私たち 〜 美容が与える影響と効果」
「『ONE PIECE』 〜 アニメから学ぶホスピタリティ」
「一杯の心 〜 お茶とホスピタリティ」
「アニメーションから得るホスピタリティ」
「Let’s surprise! ~ サプライズに隠された思い~」
「『魅』 ~ ポップカルチャーとホスピタリティの関係について」
「パーフェクトスター IN 韓国」
「温泉から湧き出るホスピタリティ〜 日本は温泉大国!」
「商店街の魅力再発見 〜 人がつくるまち」
「不動産業界におけるホスピタリティ」
「ハローキティ旅物語〜 キティは語る、人のそばにいる理由」
「ブライダル産業とホスピタリティ」
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私はテーマを自由にしているので、本当に多様です。ただ、テーマとした内容をどれだけ深められるか、ホスピタリティという鉱脈に突き当たるところまで、掘り下げることが必須です。
美や化粧、好感度、ダイエットなど外見への関心も高いですね。それぞれの視点でのいい論文です。独自の関心にしたがって掘り下げているので、同じような結論にならないのが素晴らしいです。また、韓流やポップカルチャーへの眼差しも面白いです。海外への受容についての比較や、韓国と日本の文化論を考察している点、切り口の新鮮さで面白いです。また、ONE PIECEやアニメというサブカルチャーは、自分自身の経験と重ねて論じています。沖縄に国内留学した学生の沖縄論や、ブライダル産業への関心からその将来を考察するもの、サプライズという対象でする者される者を細かく論じたものなど、個性豊かです。お茶文化を現代的視点で捉え直した「茶ガール」も興味深いですね。商店街についての論文は、自分でインタビューにいき、調べてから論文にいっそうの活力が生まれたようです。不動産業界に就職する予定の方は、その業界が自分の学んだこととどうリンクするかという視点でまとめているので、きっと今後の道標となるでしょう。
この中でも「おお!」と思った論文は、キティちゃん論です。キティがなぜ愛されるかというコンテンツ産業で論じられるカワイイ論はよくありますが、この論文の切り口は「ご当地キティ」です。なかなか面白いでしょ。それを、郷土のモノ、ヒト論とホスピタリティに結びつけて、よく掘り下げた考察をしています。彼女は、趣味が新聞を読むことであるというだけあって、語彙も豊富で、実に表現が的確でわかりやすいものでした。
どの論文を読んでも、ああよくがんばったなあ・・としみじみとした感慨に耽ります。何かの形にするまで格闘した経験は、きっと社会に出てからも、自分を振り返る土台となるでしょう。よく頑張りました!